ある雪の降る日私は運命の恋をする
目を覚ますと、もう外は暗かった。

テーブルには、まだ湯気が立っている暖かそうな夕食が置いてあった。

今日は、お昼ご飯があまり食べられなかったから、夜ご飯だけでもちゃんと食べなきゃ。

橋を手に取り、ご飯を1口食べる。

美味しい。

前に、病院食は美味しくないと聞いたことがあったけど、ここのは普通に美味しい。

でも、楓摩の手料理が1番かな。

そう考えるだけで、明日の退院が楽しみになってきた。

寝る前の怠さも痛みも無いし、元気だもんね。

そうやって、いろいろ楽しみな事を考えていると、無性に楓摩の顔が見たくなってきた。

まだ、楓摩来ないかなー?

多分、もうすぐ回診の時間だと思うんだけど……

そんな事を考えながらご飯を食べ進める。

コンコン

ガラッ

「おっ、朱鳥起きてるー、おはよー」

「おはよう、楓摩」

「もう、すっかり元気みたいだね。良かった。それに、ご飯もちゃんと食べれてるじゃん。偉い偉い。」

そう言って、楓摩は私の頭を撫でてくれる。

こうやって、楓摩に頭を撫でられるの好きなんだよな~

なんだか、安心する。

私がフフッと笑うと、楓摩はニコッと笑ってくれた。

「ご飯食べ終わったら診察するね。食べ終わるまで、ここに居てもいい?」

「うん!!ていうか、ここに居て?」

「うん、わかった。」

私がまたご飯を食べ始めると、楓摩はニコニコしながら、いろいろな話をしてくれた。

楓摩の話は面白くて、つい笑ってしまったり、その間、ずっとニコニコしている、楓摩の顔に見惚れてしまった。

やっぱり、私、楓摩の事好きなんだな……

なんて、思ってしまった。
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