ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side2

久しぶりに朱鳥と家に居る。

それだけでも、充分過ぎるほど幸せなのに、朱鳥は、いつもより甘えてくれて、これ以上幸せな事は無い。

ご飯を作っている間も、朱鳥はチラチラと俺の方を見てくれて、目が合うと2人で笑ってしまう。

本当に、可愛い。

ご飯も出来上がり、朱鳥を呼ぶ。

「朱鳥ー、ご飯できたよー」

そう言うと、子犬がシッポを振りながら来るように、笑顔で走ってきた。

「楓摩のご飯だぁ!!久しぶりだから、嬉しいな!!」

そんな何気ない一言も俺を喜ばせる。

「今日は、和食にしてみた。結構自信あるから食べてみて?」

「うん!!いただきまーす!!」

「いただきます」

朱鳥は、昨日の昼の出来事が嘘のように、パクパクと美味しそうに食べ進めてくれる。

「おいしい?」

「うん!!とーっても、美味しい!!やっぱり、楓摩のご飯が1番好き!!」

ここ2、3ヶ月体験することの出来なかった喜びと幸せ。

朱鳥には、どこか人を幸せにする力があるようだ。

朱鳥の笑顔を見ているだけで、嫌な事も吹き飛んで自分も笑顔になる。

「ごちそーさま!」

朱鳥は、ご飯をペロリと食べきった。

最近は、病状も良くなってきたのか、朱鳥の笑顔を見ることが増えた。

きっと、この前の治療の効果が出ているのだろう。

朱鳥が、もっと頑張ってくれれば、一時帰宅ではなく、退院も、そう遠くない未来に待っているだろう。

そう思った。
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