ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side6

懐かしい温かさが体に伝わってくる。

私はゆっくりと重たい瞼を開けた。

だんだん鮮明になってくる視界。

「朱鳥、大丈夫?」

そこには心配そうに私を覗く楓摩の顔。

「………………楓摩…?」

「そうだよ。ごめんね、心配かけちゃって。」

……楓摩…楓摩だ…………

楓摩、目、覚ましたの?

元気になったの??

「楓摩、楓摩……」

「うん。そうだよ。」

そう言って楓摩は私の頭を撫でてくれる。

私は体を無理やり起こして、楓摩に抱きつこうとする。

だけど、頑張って体を起こした所でフッと力が抜け、ベッドに倒れそうになる。

それを楓摩が受け止めてくれる。

「大丈夫?まだ、調子良くないんだから、寝てな?」

そう言ってくれるけど、私はどうしても楓摩にくっつきたかった。

「…ギュッ………………して……」

私がそう言うと、楓摩は笑って私を楓摩の膝の上に乗せてくれた。

「ごめんね、俺もまだ起きてから少ししかしてないから、うまく立てないんだ。だから、これで我慢して?」

コクン

私が頷くと、楓摩は私のことをギュッと抱きしめてくれた。

「楓摩…………」

「なに?」

「…グスッ…………心配……したの………………ヒック……」

「うん。ごめんね。俺のために頑張ってくれたんだって?ありがと。」

「うん……。あのね…私…………寂しかったんだよ……すっごい寂しかった……」

そう言って泣き続ける私を楓摩は優しくなだめてくれた。

「もう、大丈夫だから。俺は居なくならないからね。大丈夫。」

楓摩の優しい声を聞きながら、私はウトウトし始めた。

……そのまま、私は楓摩にくっついて眠ってしまった。
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