ある雪の降る日私は運命の恋をする

宝箱

「ここら辺で調べたら、ここしかなかったけど……」

そう言って楓摩が車を止めたのは家の近くの大きな公園。

確かに、ここならあるかもしれない…

車を降りると、少しだけ見覚えのある気がしてきた。

「楓摩、ありがと。ちょっと、ついてきてくれる?」

そう言って、私は夢に出てきたすべり台を探すことにした。

楓摩と一緒に公園内を歩く。

歩き進めるたびに夢の記憶が鮮明になる。

たしか……ここら辺…

「あっ……」

「ん?どうした?」

「あれ!あのすべり台!!」

「えっ、すべり台?」

私は夢中になって駆け出した。

たしか、夢ではこのすべり台の下に箱を埋めたはず。

「楓摩、ここ!!ここを掘るの!!」

「え?でも、シャベルなんて持ってきてないよ?」

「でも掘るの!!」

私は、手が汚くなるのもお構い無しにすべり台の下の地面を掘った。

楓摩も、最初は少し嫌がってたけど、私が必死になっていると手伝ってくれた。












10分程経ったとき、不意に手にコツンと硬い感じがした。

私は掘る手を進める。

すると、そこには袋に入った銀色の箱があった。
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