神恋〜恋に落ちた神と巫女〜


(悪い神様ではなさそう)


必ずしも神だからと言って全て善とは限らない。

善とは悪は紙一重なんだ。
善とみせかけて悪の場合だってざらにある。


だけど、この水神様は善の方だ。
口が悪いけど、そう感じる。


「まだ朝なのに、空が」


ふと空を見上げると朝だと言うのに不気味な紫色で辺りは暗かった。


「わ、私お爺ちゃんたち見てくる‥!」

「無駄だ。ここにはその人たちは居ない」

「どう言う事?」


水神様は、ここには私と水神様の2人だけしかいないと言った。

じゃあお爺ちゃんとお婆ちゃんは何処にいるの?

ここは見るからに確かに水無月神社だ。
けど暗く空は紫色で。

どこかおかしい。


(別世界‥‥)


「お前は手紙を拾った。唄に導かれた。もう逃げられんぞ」

「さっきから言ってる事分からない」

「月夜の母親が命を懸けて守ったものをお前は壊した。ここまで来れば嫌でも知らなくてはならない」


お母さんが命を懸けて守った?
私が壊した?
嫌でも知らなくちゃいけない?

唄に導かれたって何?手紙ってなに?



「まさか‥‥!」


「いや壊されたと言っても良いだろう。月夜の体を借りて壊した、そう言った方が適切だな。

善と悪が紙一重だと言うのと同じように、世界も表と裏は紙一重」


つまり今私たちがいるこの世界は、





「裏だ」


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