密かに恋焦がれて
「なぁ、そんなに彼女ほしいなら……琴美はどうだ?」
おっ、お兄ちゃん?
ヒロになんて事を言ってるの……。
私が聞いているなんて気付かずに二人は話し続けてる。
「は?琴美はお前の妹だぞ。友達の妹なんて……考えられねぇ」
何となく解ってた……ヒロに恋愛対象としては見られてないってことは。
でも、こんなところでそれを聞くことになるなんて思わなかった。
「琴美、今の話し……」
兄はやっと気付いた。
「ちょっとっ、お兄ちゃん。何を話し込んでたか知らないけどもう三回もノックしたんだよ。
ちっとも返事ないし……これお母さんがヒロにって。それからお兄ちゃんとヒロが先にお風呂に入りなって……」
部屋を出てドアを閉めて隣の自分の部屋に駆け込んだ。