痛快! 病ンデレラの逆襲

「お千代? ああ……そうだな、確かに」

あっ、しまった!
社長の頭に『魔女』=『お千代』の等式が出来上がってしまった。

「でも、悪い魔女じゃありませんよ。シンデレラに出てくる魔法使いのおばあさんみたいに優しい魔女です」

すぐさまフォローを入れるが、何となくフォローになっていないような気がする。

「とにかくだ、お前がガラスの靴……そうだな、十三センチヒールを履きこなせるようになるまで俺がビシバシしごいてやる」

そんなしごき要りません!

「ご辞退申し上げます!」

間髪入れずハッキリ断りを入れつつ、十三センチヒールを思い浮かべ、転んで足を挫き、松葉杖姿になった自分を想像し、「十三センチヒールは凶器ですね」とポツリ呟く。

コイツは何を言っているのだ、と社長が変な目で見たが、素知らぬ顔で前を向く。

取り敢えず、この先に、何チャラパーティーが待っている。
お千代さん! 今日も頑張ってお仕事してきます。

ん? あれ? でも社長、いつお千代さんに会ったのだろう?
不思議に思い、私は首を傾げる。

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