Disposable Destruction
裏切りの代償
真っ二つになったシェゴンダイン高架橋。

その切断された端に、バニングとヒューは立つ。

両者とも、ノベスキーとMP5A4を携えたまま。

距離は数メートルしか離れていない。

「俺を殺したいか、バニング」

ヒューが挑発するように言う。

「Disposableの裏で臓器ブローカーとして暗躍していた俺を、殺したいのかバニング」

「ああ、殺したいね」

バニングは返した。

「何故だ?人の臓器を売って懐を潤していたからか?その売った臓器で助かる人間もいるのにか?ただ人殺しをして金を稼ぐ傭兵よりも、よっぽどマシな商売とは思わないか?」

饒舌に捲し立てるヒューに。

「なら何故黙っていた?」

バニングは問い掛ける。

即座には返せないヒュー。

「何よりもお前自身が、臓器ブローカーである事を、恥じていたからじゃないのか。人身売買という仕事を、後ろめたいと感じていたからじゃないのか。そして」

バニングは拳を握り締める。

「Disposableを裏切った事を、後ろめたいと感じていたからじゃないのか」

< 131 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop