Disposable Destruction
人助けの為に、臓器ブローカーの道を選んだか。

呆れたように、アランは首を横に振る。

とんだ悪党もいたものだ。

お人好しなのか不器用なのか、理解に苦しむ。

中途半端に悪党をやるなら、いっそ臓器を待つ患者達に大金を積んでやった方が賢いだろうに。

そういう選択肢を選ばなかった分、ヒューはやはり馬鹿なのだろう。

そして、そんな悪党に肩入れしてしまう自分も、同類の馬鹿には違いないだろうが。

「さっさと乗れ。置いて行くぞ」

ヒューがジープの運転席で言う。

…この男はこうやって、手を血に染めながら臓器を売り捌き、人々を助ける。

自身は悪党のレッテルを貼られ、嘗ての仲間に命を狙われながら。

そしてアランもまた、そんなヒューの傍らに居続ける。

馬鹿には守る仲間が必要だ。

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