それはきっと、君に恋をする奇跡。


ドキッ。


広い教室の一角でこんなに身を寄せ合って。


体中がぶわっと熱くなって、心臓が暴れ出す。



「……っ、続きは蒼が書いてねっ……」



そんな感情に耐えられなくて、押し付けるように日誌とペンを突き出すと、



「はいよ~」



蒼は素直にそれを受け取って、残りの部分を書いて行く。



左利きの蒼。


少し右上がりの角ばった文字。


そういう蒼だって、典型的に男の子の字だよ。


下手じゃないけどそれほど上手ってわけでもない。



ふふっ。


蒼らしい字だな……。



「……ん?」



視線を感じて顔をあげれば。


蒼が頬杖をつきながら、あたしを見ていた。
< 192 / 392 >

この作品をシェア

pagetop