それはきっと、君に恋をする奇跡。


「でも、もう少し待って……」



その顔は、ものすごく真剣だった。



……蒼?


その理由は分からないけど、あのピアスを迷惑だとは思ってないと断言してくれたような気がして。



「う、うん……」



それが感じられただけでも十分で、あたしは首を縦に下ろした。




蒼がそう言うからには、きっと何かワケがあるんだよね?


要らなかったとか気に入らなかったわけじゃない。


『つけたい』


蒼はそう言ってくれた。



長い休みに入る前に、それが知れただけで十分だった。


思い切って聞いてみて良かった。



勇気が持てた自分に、"陽菜えらいよ"と心の中でつぶやいた。
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