それはきっと、君に恋をする奇跡。


屋上で放った"ズルい"の意味も"弱い"の意味もあたしには分からないし。

"ごめん"だって、菜々さんへの言葉だったかもしれないけど。



大丈夫。


神様がちゃんと見てる。


きっと蒼は幸せになれるから。


こんなに優しい蒼が幸せになれないわけがない。



蒼が幸せになるには、あたしの失恋はもう決定しているのに。


それでも蒼には幸せになって欲しい。

いつも笑顔でいて欲しいと心から思うんだ。


あたしに笑顔をくれた蒼だから……。



だから。


神様お願いです。


取り巻くツラさから、どうか蒼を解放してください。



そう強く願うあたしは、蒼の寝顔を見ながら涙をひとすじ零した。
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