それはきっと、君に恋をする奇跡。


「でも、マジいてーぞ」


「なにで開けたの?」


「安全ピンでブスッ!とな」


「うわっ、それ痛そう」


「なんか開ける機械あんだろ?」


「ピアッサー?」


「そうそう、それっ!」


「皮膚科で開けてもらったら安全だし痛くないって聞いたよ?」



ピアスか……。


興味はあるけど、ちょっと怖そう。


血とか見るの大っ嫌いだし。


それにしても、中2でピアスなんてチャラすぎない?


どんな中学生だったんだろう……。


お家の人、厳しくないのかな。



そんなことを考えながら、顔と肘の隙間から笑顔の水瀬くんの横顔をこっそり盗み見。


奥二重の目元、筋の通った鼻。


程よくがっしりしているのに、肌は比較的白い。


全体的に色素が薄そうだし、もともと焼けない体質なのかもしれない。



横から見ても、水瀬くんはイケメンだ。


そんな彼の髪の毛の隙間から控えめに光るピアスは、光に反射してキラキラしていてほんとに綺麗。


シンプルだけど、透明感のある水瀬くんの肌と柔らかい髪の毛が、よりいっそうそのピアスを引き立てていた。

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