【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
キュリオは瞳を揺らしアオイを見つめる。それでも彼女は"なんでもないよ"と言いたげな表情を浮かべ笑みを深めた。

「優しい子だね。お前は」

きゅっと小さな体を抱きしめ、右手で彼女の手を包み込むように握りしめる。

――サァー……

一瞬にして光の粒子が手元へ集まり、ふたりの間に留まりながら輝きを放つ。やがてそれが消え去ると、キュリオは包んでいた手のひらを広げ、彼女の指先に目を向けた。

「もう大丈夫だ、本当にすまない。アオイが痛みを覚えるにはまだ早すぎる」

「…………」

両手でアオイを抱きしめるキュリオの腕に、無言のままそっと顔を寄せるアオイ。それはまるで彼の言葉を理解しているかのような大人の仕草だった。
 そして幼い彼女は心の中で呟いた。


――――私が悪いの、ごめんなさい……――――

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