会いたい
「あー、お世話になってるって、そういうことなんすね」

「そうそう、そんな感じ」

「いやぁ、マキさん、やっぱ目のつけどころがいいっすねー。俺もこんな綺麗な人に、指導してもらたいっ」

TAKAHIROが羨ましそうにそういうと、

「楓さん、TAKAHIROもそのうち指導してやってもらえますか?TAKAHIROは、綺麗な人ってとこになびいてる感じだけど、まぁ、いうこと聞きそうだし」

「はい、こちらこそ、メンバーのみなさんなら是非是非お願いします」

楓の仕事の幅が広がることにつながり、また、MAKIDAIだけでなくメンバー達の健康管理に携わることが出来て、楓にとっていいことばかりだ。

「そうそう、楓さんみたいな綺麗なお姉さまに厳しく指導されたい、ってこれ、変態じゃないですか、マキさんっ」

「いや、いつも変態じゃん。ね、楓さんだってTAKAHIROが下ネタ好きだってファンの皆も知ってるでしょ」

「まぁ、そうですね」

そんな冗談交じりな話をした後二人は、3階に戻る。

楓は、荷物を持ってエレベーターの前に立つとMAKIDAIに挨拶する。

「じゃあ、MAKIDAIさん、北海道よろしくお願いします」

「こちらこそ、お願いします」

北海道のLiveまで後数日だが、しばしの別れ。

「北海道、寒いかな?」

「寒いよ」

「じゃあ、いっぱいカイロ持って行かなきゃ」

「うん」

エレベーターのドアが開く。

楓は乗り込むと小さく手を振る。

「気をつけて」

MAKIDAIも軽く手を挙げる。

ドアが閉まり、姿が見えなくなるとエレベーターの階数のランプを見つめるMAKIDAI。

楓が1階に着いたのを確認すると、部屋へ戻る。

楓が帰ってさみしい気持ちだったが、お弁当を見ると楓を思い出し温かい気持ちになるMAKIDAIだった。



第 4 話 〜 終 〜
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