会いたい
コンコンッ

部屋の入り口を誰かがノックする。

「あ、確認するよ」

工藤は入り口へと急ぐ。

ドアが開く音は聞こえるが、話し声が聞こえない。

「ん、誰だった?」

何も言わずに戻って来た工藤に、MAKIDAIが訪ねる。

すると、

「MAKIDAIさんっ」

工藤の後ろから、楓がぴょこんと顔を出した。

「…あ、…楓さんっ⁈」

MAKIDAIの驚いた顔に二人は、爆笑する。

「見た?MAKIDAIの顔」

「うんっ」

笑い続ける二人に、MAKIDAIはやられたという表情で、

「なんだよ、二人で騙してた?」

と頭をかく。

工藤は、笑いながら、

「騙してたっていうか、サプライズ?」

そう言って、楓とハイタッチする。

「なになに、そのハイタッチはっ」

「大成功ってこと」

「ごめんね、予定決まってないなんて言って」

「そうだよ、昨日そう言ってたじゃん」

「ギリギリまで、予定調節してて昨日電話してる時はまだ決まってなかったから」

そう言いながら、嬉しそうに笑う楓。

MAKIDAIも喜びを隠せない様子。

「工藤ちゃん、さっき楓さんの話したの、前振りだった?」

「それは、やっぱ会えないと思わせといて、突然の登場の方が面白いじゃん」

「工藤さん、協力ありがとうございました」

楓が工藤に頭を下げる。

「あ、楓さんの提案だったんだ」

「ふふふ、そうですよ」

楓は、両手で口元を隠しながら嬉しそうに笑う。

「あぁ、本当マジびっくりした。なんか、嬉しいけど微妙に悔しい」

MAKIDAIは、笑いながら微妙に顔をしかめる。

「じゃあ、今度はMAKIDAIさんがサプライズして下さい」

楓は、ちょっと上から目線でいう。

「わかった、その代わりめちゃめちゃ驚かせちゃうよ?」

「めちゃめちゃ?うーん、嬉しいサプライズなら、いいですよ」

「あ、俺コーヒー買ってくるわ。楓さん、ブラックでいい?」

「あ、はい、ありがとうございます」

工藤は、空気を読んだのか席を外した。
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