君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜



流人はきゆをそのソファに座らせる。
そして、冷蔵庫からペットボトルに入った烏龍茶を持ってきて細長いグラスに注いだ。


「本当はお酒を飲みたいところだけど、後できゆを家まで送って行かなきゃならないから、これで我慢しよう」


奥行きの広いソファにちょこんと腰かけたきゆの後ろに、流人はきゆを後ろから抱きかかえるように座った。


「きゆ…
今日の俺どうだった?…」


流人はきゆの首筋に顔をうずめそう聞いた。


「最高にカッコよくて、涙がでてきた…」


きゆは鎖骨を触っている流人の手を自分の手で包み込む。


「なんで、涙がでてきたの?…
きっと、私、流ちゃんが大好きって思ったんだろ?」


きゆは何も言わずに流人の手をさすったままだ。


「流ちゃんと離れたくない… 愛してるって…」


きゆは後ろからそうささやく流人の温もりに身をゆだねる。


「きゆ…
久しぶりにきゆと結ばれたい… 
一つになりたい…
きゆからのご褒美はそれがいい」


きゆは振り返って流人を見た。
切なそうな苦しそうな、でも凛とした顔できゆを見ている。



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