HEAVEN ROAD
すると肩からずっしりと何かがかけられた。



視線をやると……



豊の学ラン。



学ランって重いんだ。



「豊寒くないのか?」



「あぁ。大丈夫だ」



「サンキュー」



「お前平気なんだな?」



「何が?」



豊がやっと喋り出してくれたことに安心する。



「あんなとこ見て……翔は彼氏だろ?」



「翔が勝手に言ってるだけだ。あたしは付き合うなんて言った覚えはない」



「そうか。俺は帰るけどお前は?」



「あたしは翔と話す」



学ランを豊に返し、あたしは豊の車の中で待つことにした。



豊は歩いてすぐだからといって歩いて実家へと帰った。



運転手のお兄様と2人きりなのは気まずいけど、外で待つよりはマシだ。
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