HEAVEN ROAD

始まりの合図

「あぁ~暇だぁ~」



「さっきから何度もうるせぇな。暇なら勉強でもして来い」



屋上のソファーでゴロゴロするあたしに豊は相変わらず冷たい態度。



支笏湖に行った日がだいぶ昔に感じられるくらい、あっという間に夏休みが終わり、あっという間に肌寒い季節となった。



もう、来年の夏まであんな風に遊べないんだと思うと寂しくて勉強する気になんてとてもじゃないけどなれるはずがない。



まぁ~あたしの場合は年中勉強する気は起きないだろうけど。



「なぁ~翔はどこ行ったんだよ?」



「家で寝てるんじゃないのか?」



「最近いっつも午後からだな」



「そうだな」



いつもは五月蝿い翔だけど、こんな風に暇な日はいい話し相手になってくれる。



それなのに、2学期が始まってからというもの殆ど、学校に姿を見せない。

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