HEAVEN ROAD
「おめでとうございます」



車に乗るなり大輔さんが頭を下げる。



「ありがとう。まぁ、俺もこれで有名人だよな」



それに答えたのは助手席に座った翔。



大輔さんは卒業おめでとうと言ったと思うんだけど……



「豊さんもおめでとうございます」



「あぁ」



やっぱりな。



「何で?何で豊もおめでとう?大輔さん、コイツは実家継ぐだけ。間違ってない?」



一人だけ、何のおめでとうかわかっていない翔。



「卒業式だったんですよね?なので……」



大輔さんがそう答えると、翔は肩を落とし「そういうことか」と大人しくなる。



本当にコイツは馬鹿だ。



こんな奴が大学だなんて絶対に可笑しい……

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