御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
「なにシカトしてるのよ!なんとか言いなさいよ!」

大きくなった声に遠くのロッカーを使っていた人まで顔を覗かせる。

「そんなに大きな声出すと、更衣室の外の廊下にも聞こえますよ」

彼女達だって恥はかきたくないだろうに、苛立った頭では私の静かな言い方の方が癇に障ったようだ。

「何、上から目線で喋ってんのよ!言っとくけど、常務も坊っちゃまもあんたなんかに引っかかるほどバカじゃないんだからね」



この人達はかなりタチの悪い肉食女子さんだ。私がどうしようが、それは彼女達とは関係ないのに。自分が上手くいかない事を私のせいにしてる。



こんな人達にバカにされたくない。
正面から向かい合うと、キッと睨み返した。

「自分の恋愛がダメな理由を人のせいにして、噂撒き散らしてる人に、幸せな恋愛が出来るはずないです。まずは自分を振り返ったらどうですか?」

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