御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
13.
結局話をしないまま、私達はデザートまできっちり楽しんでからお店を出た。


案内された席は、告白や他の人に聞かれたくない話に最適な席だったと思う。係長もそのつもりで予約してくれたんだと思うし。

でも待ち合わせの時の係長の怖い顔が私の覚悟を鈍らせた。

告白が上手くいかない事はもちろん覚悟していたけどあんな顔を見て、それでも告白に挑む勇気は私にはない。

お店を出てから無言のまま、私達は街を歩いた。並ばず、前後に、一定の距離を保ったまま。



小さな公園に入ったところで、急に係長が振り向いた。

「あの、さ。振られるなら俺、すっぱりと振ってもらいたいんだけど」



はいぃっ!?なぜ、振られる前提で話されてるんだ?



「私が振られるんじゃないんですか?」
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