御曹司様のことなんて絶対好きにならない!
チャラいと評されても仕方ないだろう彼なのに、育ちからくる品の良さなのか嫌悪される軽さはない。
「軽い」じゃなく「軽快」、それが彼を的確に評価する形容詞だ。


「だいたいさ、あのスペックでモテないはずないんだから、わざわざ私にちょっかいかけるなっていうのよ!ホント、迷惑!」

「仕方ないじゃない。だって彼、香奈美を見たいんだからー」

ホットサンドを振りながら知恵ちゃんはニヤニヤと私を見る。

「見たいのは私じゃなくて、わたしが食べてるとこ限定だから!食事するの見せる趣味なんて私にはないわよ」

ブスっと呟くと自分のトマトクリームパスタをクルクルフォークに絡める。


いかん、いかん。こんな腹立てて食べたら、せっかくのパスタが美味しく味わえないじゃないか。


このカフェのパスタランチはお値段もお手頃でハズレも少なくてお気に入りだけど、私の好きなトマトクリームの頻度が少ないのだけが残念だ。
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