L'eau, je suis important...



「浴衣…着付けしてくんねぇ?」

「浴衣?」


なるほどな。
あの大荷物は浴衣だったってことか。


「僕、浴衣の着付けできないから…。」


気まずそうな表情でいう玲。


そう言えば前に言ってたな。浴衣着たことないって。

それなら着付けもできねぇだろうな。


「あぁ。いいぞ。
普通に気になったんだが、お前誰と行くんだ?」


浴衣を着るなら花火大会に行くってことだよな。

俺は舞羽といくから、誘われてない。


他に行くやついるのか?

炎龍か?
海で遊んで以来仲良くなったとか…?


「まぁ、ちょっと…ね。」


言葉を濁したが、俺は穿鑿をやめてあげねぇ。

朝起こされた仕返しだ!


「誰なんだよ!炎龍か?」


笑いながら尋ねたが、玲は頷くこともなく、気まずそうな顔をした。


「いや、」

「じゃあ誰なんだ?
悪いがお前と仲いい人間がもう思い浮かばない。」



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