借金取りと私の関係【完】
「熱でもあるんですか?」



「は?」



「なんか今日変ですよ」



黒崎さんのおでこを触ってみるが、熱くないどころか私より低い気がする。



うーんと唸る私に、黒崎さんが目を細めた。



「バカにしてる?」



「…え」



「俺も気遣いくらいできるんですけど」



はあ、と溜め息を吐きながら、黒崎さんはカゴを持って奥へと進んでいく。



その背中を見ながら、黒崎さんの言葉をリピート。
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