借金取りと私の関係【完】
困る私に、男は懐から紙切れのようなものを取り出して手渡した。



受け取ったそれは名刺のようだ。



「くろ、さき…こう…?」



黒崎 煌と書かれた名刺には、総長という文字が。



「そう、ちょう…?」



総長と聞いてまず思い浮かぶのは、組織をまとめるトップのこと。



まさか、と男を見上げると、その通りとでも言いたげに頷いた。



「俺の言うことさえ聞いてれば、約束通り金を払う」



「言うことって…」



「大したことは言わない。失敗されても困るからな」
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