その灯火が消えるまで





その日の放課後。


下駄箱へ行くと、結灯もちょうど靴を取り出すところだった。


「結灯。一緒に帰ろ」

「おお、貴也くん!君から言ってくれるなんて嬉しいなぁ」


結灯はふざけながらにこにこ笑う。



「リフティング、かっこよかったよ」

「………ああ。近いうち、サッカー部入ることにした」


「え」

結灯が一瞬動きを止める。


その、大きな瞳で俺を見上げて。





「ほんとっ?! 」




結灯は、すっごい嬉しそうな顔で俺を見上げた。




「………そう、だけど」

「そっかそっか!がんばってね、貴也!」


また。


にっこりと、嬉しそうに笑う。



「ああ」


俺も思わず、笑う。


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