その灯火が消えるまで



あとどれくらい、
手を繋ぐことができるだろうか。


あとどれくらい、
笑う姿を見られるだろうか。





「灯理、あそこ見て!きれいだよ!」

「……ほんとだ」



あとどれくらい、
荒い呼吸を押し殺すのだろうか。



あとどれくらい、

次も目が覚めることを祈りながら、
目を閉じるのだろうか。




俺は前を向いて、

歪む自分の、醜い顔を見せないようにしながら。




沈む夕日を見て、思っていた。







「すごいきれいだね」





隣で笑う大好きな人は








あとどれくらい、



一緒にいられるだろうか。





< 239 / 413 >

この作品をシェア

pagetop