その灯火が消えるまで

「………え?」


結灯は、首をかしげる。




「辛いときは、言え!

俺がお前をおぶって歩くし、
周りから隠してやる。

辛いときは、お前を膝に寝かせてやる。

愚痴だって聞いてやろう。


だから、つまりだな……………………甘えろ!」



もう最後の方は恥ずかしさでヤケクソだった。

俺なりに、勇気とかなんだかをかき集めてはなった言葉。




「…………ぶはっ!」


結灯は噴いた。


「あははっ!そう、そうなの!

なんか、そんなに人に尽くす貴也、
想像できなーいっ!」

「ばっ……!な、なんだよ、いいだろ!」


「ワンッ」



恥ずかしくなって蛍太郎を取り返して
今度は俺が顔を埋める。

蛍太郎の毛はもふもふしてて、
なかなか気持ちよかった。

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