その灯火が消えるまで
20
結灯が突然、学校を辞めた。
「…………どういう、こと?」
しかも先生の口から出たのは、
俺の想像と全く違って。
『海外へ引っ越すことになったそうです。
みんなの悲しむ顔とか、別れを言うのが辛くて、ずっと黙っていたそうです』
瑠衣は一日中、泣いていた。
翼だって、調子いいことをひとつも言わなかった。
クラス全体が、暗い雰囲気だった。
もちろん、俺も。
それが、1週間続いた。
それほどまでに、
結灯は大きな存在だった。