その灯火が消えるまで




その日の夕方。



「結灯ーっ!」

「結灯っ!」



元2年8組全員が、結灯の病室に集まった。




その時目が覚めていた結灯は、えっ?て、
微かに声をあげた。




「結灯!ばかっ!何でいってくれなかったの!

こんなになるまでっ!


私、あんたの親友のつもりだから!

これまでも!これからもね!」


瑠衣が泣きながら結灯に向かって言う。


「…………る、い………?」



「そうだよ!私だよ、結灯!
私、やっぱりあんたが大好き!

絶対に一生私の親友!文句言わせないから!」


「………うん、うん、………!」


結灯は、涙を流す。

赤い、涙を。



瑠衣は必死に声を押さえながら、涙を流していた。



「結灯!俺だよ、翼!

二回も振られたけどさ、貴也いるの知ってるけどさ!

でもやっぱり俺、お前のこと好きだよ!

お前を好きなやつがいっぱいいること、忘れんなよ!

俺、お前を好きだから!」


「……つ、ばさ………あり、がと」


翼は、泣きながらも涙を流してた。

鼻水も顎ぐらいまで垂れてて、
イケメンのくせに、みっともなかった。


「結灯っ!」

「結灯!」


それからもクラスのみんなが次々に話しかけて。



「結灯!俺、お前と過ごせて楽しかったよ!

叶多が学校に行けてるみたいで、すっごく嬉しかった。

ありがとな、結灯!」


「はる、ちゃん………めい、わくかけたけど、あり、がとね」


戸塚は、必死に涙をこぼさずに微笑んでいた。

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