その灯火が消えるまで


外に出ると、少し暑さを感じる。


「ウウッ」

ぶるぶるっ、と体を震わせて熱を逃がす。


「ははっ、暑くなってきたな」

ご主人は笑って、僕の頭を撫でる。




電灯がない田舎の夜は、星の明かりだけで
辺りが照らされている。



「………もう、2年か」


夜の道を田んぼ沿いに歩きながら、
ご主人は空を見上げる。




僕がご主人の家に来てから、
もう2年になる。




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