純情シンデレラ
「あのっ!わたし、帰ります!色々とすみませんでした。その・・長居をしてしまったこととか・・・」
「あっ、おいっ!」

私は松本さんを押し退けるようにパッと立ち上がった後、ブツブツ呟きながら、目についた自分のバッグを引っ掴んで、玄関まで歩いた。
そして「松本さん!明日は出社しちゃダメですよ!それじゃあお大事に!」と自分なりの大声で言いながら、サッサとドアを閉じた。
ドアを閉じる瞬間、部屋の奥から「け・・!」と低い声が聞こえてきたけど、完全に無視をして。

・・・松本さんが足首をくじいてくれて良かった。
おかげで私のことを、すぐには追ってこれなかったから。
・・いいや。もし別の個所を怪我していても、私のことを追ってくるわけないじゃないの。
もう私ったら・・・。

「バカ」

幼稚で未熟でお粗末な、さっきの私のふるまいを見て、あの人はきっと・・・失望したに違いない。
これで私はあの人に嫌われてしまったわよね。完全に。
何やってんだろう、私は。ホント、バカだ。

やっと早足で歩くのを止めた私は、深くため息をつきながら「大バカ」と呟いた。

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