純情シンデレラ
「もう松本さんっ!欲しいなら欲しいって言えばいいでしょ!最初っから松本さんのために、半分残してたんですよ!」
「そうだったのか。ありがとう、けんじょう君。おかげでカニクリームコロッケに対する見解が少しだけ変わった」
「はぁ」としか言い返せない私に、松本さんは「だが」と言いながら、またしても顔を寄せてきた。
「君が作ったコロッケの方が、もっと美味かったぞ」
「へっ!?」
「ちょーっとそこのお二人さんっ!何コソコソと話してるんですかぁ?」
「あっ!?えっと・・忘年会のことを、あれこれと・・ね?松本さん?」
「ああ。俺はコロッケが美味い居酒屋にしたい」
「なんですかそれは!」
「いかにも出(いずる)らしい意見だが・・今日はもう話し合う時間ないな」
「“話し合う”って言ってもねぇ、そんなに話すことないでしょ」
「そうだよなっ。忘年会のことは今日4人で集まる口実みたいなもんだったし。とりあえず、営業部と電算課の合同忘年会会場をどこにするか、今週中に候補をいくつか見つけよう」
「はいっ」
でも、それから数日後。
社長令嬢の姫路あゆ子さんが入院したことで、忘年会を自粛することになってしまった。
「そうだったのか。ありがとう、けんじょう君。おかげでカニクリームコロッケに対する見解が少しだけ変わった」
「はぁ」としか言い返せない私に、松本さんは「だが」と言いながら、またしても顔を寄せてきた。
「君が作ったコロッケの方が、もっと美味かったぞ」
「へっ!?」
「ちょーっとそこのお二人さんっ!何コソコソと話してるんですかぁ?」
「あっ!?えっと・・忘年会のことを、あれこれと・・ね?松本さん?」
「ああ。俺はコロッケが美味い居酒屋にしたい」
「なんですかそれは!」
「いかにも出(いずる)らしい意見だが・・今日はもう話し合う時間ないな」
「“話し合う”って言ってもねぇ、そんなに話すことないでしょ」
「そうだよなっ。忘年会のことは今日4人で集まる口実みたいなもんだったし。とりあえず、営業部と電算課の合同忘年会会場をどこにするか、今週中に候補をいくつか見つけよう」
「はいっ」
でも、それから数日後。
社長令嬢の姫路あゆ子さんが入院したことで、忘年会を自粛することになってしまった。