純情シンデレラ
松本さんが住んでいるアパートは、商店街の中にある。
その商店街にはアーケード(屋根)がついてないけれど、歩行者のために、ちゃんと雪かきがされているし、凍った道もないおかげで、私はすんなりと歩くことができた。

風邪を引いて寝こんでいる松本さんは、きっと料理なんてしてないはずだ。
おうちに食材があるか分からないし、それ以前に、彼に食欲があるかも分からない。
たぶんあるだろうけど。なんか、あの人って、寝込むくらいひどい風邪を引いても、食欲だけは衰えない気がするから・・・。

思わず顔に笑みを浮かべてしまった私は、ハッと周囲の目を気にして俯いた。
けれど、俯いたまま周囲をキョロキョロと見渡すと、誰もいなかったので、ひとまずホッとしながらまた歩き始めた。
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