純情シンデレラ
実は・・私と入籍してから1ヶ月程経った頃、出さんが書いた小説が、とある出版社主催のコンテストで佳作を受賞した。
それまで出さんが小説を書いてるなんて知らなかった私は、それこそビックリしてしまったけれど、彼が柔道の試合で足を痛めて初めて私が彼のアパートを訪ねたとき、あまりに散らかっていた部屋の正体は、「原稿用紙」だったのだ!
それより前から密かに小説を書いていた出さんは、そのとき初めてコンテストに応募するため、せっせと原稿用紙に書いていたんだけど、そのばらまいた紙の内容を、誰にも――もちろん私にも――見られてはいけないと思った彼は、私がクリーニング屋さんに洗濯物を出しに行ってる間、怪我した足で原稿用紙を片づけられるだけ片づけた、というわけだ。
全くもう・・・。

< 526 / 530 >

この作品をシェア

pagetop