恋の音はすぐそばに
flower language

ヒマワリ

「あれ、天音どこ行くの?」


「いつものところ〜!」


チャイムと同時に教室を飛び出す。


私、瀬戸口 天音-セトグチ アマネ-。


桜丘高校の2年生です。


「はぁ…はぁっ」


乱れる息を整え、中庭に面している窓を開けると、心地よい風が入ってくる。


昼休み。


中庭でサッカーをする先輩方。


誰もいない、誰もこない空き教室で、それを眺めるのが私の日課。


私の目当てはサッカーの中心にいる双子の男の子。


濃い茶色をしたツンツン頭に焦げ茶の瞳、サッカー部のエースの巽 紫緒-タツミ シオ-先輩。


薄い茶色の髪は女の子が羨ましくなるくらいサラサラで、童顔でふんわりしている巽 菜緒-タツミ ナオ-先輩。


紫緒先輩がお兄さんで、菜緒先輩が弟さん。


「やったー!」


「「よしっ!!」」


あ…シュートするところ見逃しちゃった…。


お兄さんの紫緒先輩と嬉しそうにハイタッチをする菜緒先輩はすごく嬉しそうで。


見ている私まで嬉しくなる。


おめでとうございます。


そう心で呟く。



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