恋の音はすぐそばに
━━ぶちっ


「きらぃ…っ」


わかってたけど、やっぱり落ち込む…。


「ぶはっ」


…ん?ぶはっ?


後ろに誰かいるのか、笑い声を堪えているのがわかる。


しかも堪えきれてないですよ。


声漏れてますよ。







…まだ笑ってる。


一体誰が…って?!


「巽先輩?!」


口元に手を当て、必死に笑いを堪えている姿に胸が高鳴る。


だ、だって!


あの菜緒先輩がこんな近くで!!


しかも爆笑してる!


普段からよく笑う人だけど、爆笑しているところは初めて見るわけで。


すごく珍しくて思わずじっと見つめてしまう。


「っふふ。今どき恋占いする子初めてみたよっ」


うっ…それは私も思うけど…。


それでもやらずにはいられなかったんだ。


でもやってよかった。


こうして菜緒先輩と話せてるんだから。




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