【完】最後の恋
手紙

十二月に入り、季節はすっかり冬へと変わり、
何もなかった様に時間は過ぎて行く…


アキが定時に帰る姿を見ても、誰一人驚く事もなく、
毎日は過ぎていた。



ゆいも古田も、アキに課長の事を聞けないまま…。



そして、桜田もあのカップを渡せずにアキを見ているだけだった。



それもそのはず…。



アキは昔の様に仕事を抱えず、
一日でこなせる仕事しかしない様になっていて、
桜田と仕事で関わる事もほとんどなくなり、
挨拶程度の会話しかなかった。



桜田は何とかアキに仕事を頼もうと、
色々とやってはみるものの、
アキはその仕事を他の社員にやらせてしまう。



オフィスの中は昔とは違い、
アキの声が響き渡る事はなくなっていた。


< 419 / 480 >

この作品をシェア

pagetop