桜龍

覚悟

ん?ここは?

あれ?なんで、あたしここにいるの?

あれ?奥に人影が見える

誰なんだろう?

『ねぇ!』

呼びかけたら振り返ったのは

『隼人…』

隼人だ!!やっぱり、生きてたんだ

『隼人!』

駆け寄ろうとしたのに、足が動かない

なんで?

隼人が見えるとこにいるのに!

どうして!

お願い!足、動いてよ!!

「紘」

隼人に呼ばれた

『待ってて!すぐに行くから!』

隼人がいるんだから、行かなきゃ!

「こっちには、来るな!」

えっ!

『どうして、そんなこと言うの?』

やっぱり、あたしが隼人を殺したから

「まだ、お前には俺の代わりに守ってくれないと困るんだよ!俺の子を!」

連夜!

『わかってるよ!でも、あたしは隼人に!』

まだ、伝えてないことがあるの

「お前がここに来るのはまだ先だ」

今、伝えなきゃ!

「大丈夫だ、俺はいつでもお前の心と共にある。お前のことを待ってるから!だから、精一杯生きろ!そして、お前が精一杯生きた人生を俺に教えてくれ!なっ!」

隼人が優しく笑う

あたしが、恋した顔だ

『あたし、精一杯生きるよ!連夜もあたしが守るよ!だから、見守ってて!』

あたしは、隼人に向かって力強い視線を送った

それを見た隼人が

「あぁ、見てるよ!」

あたしは、隼人を背に歩き出した

あたしは、精一杯生きる!

そう心に誓って

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