桜龍
紙を見ると

『薬、暴行、誘拐、拷問…』

あたしが1つずつ読み上げていく

「この世界では普通のことだが、ここまでの数は異常だと思わないか?」

確かに

この世界ではこれらのことは、普通のことでそれを管理するのが龍崎組だ

でも、資料の件数は異常だ

『龍崎組に関わりのある人間又は関わった事のある人間によるものだと言いたいんだよね?』

そう言えば

「それ以外には考えられないだろう?」

確かにそうだ

『そして、父さんが組長になってからだね』

先代はここまで統括はしていなかった

でも、父さんが組長になってから、しっかりと管理し始めた

「だが、俺が組長になってからカタギになった人間は全て俺の管理下にいる…こんな事出来るはずがない」

確かにそうかもしれない

龍崎組を去った人間にはそれぞれの理由があってカタギになってしまったが…

父さんが憎くてカタギになった訳ではなく、どうしてもカタギにならなければならない理由があったからこそカタギになっているのに…

と、なれば考えられるのは…

『カタギではないけど、元々龍崎組に関係があった人間の仕業?』

「その可能性が高いと俺は思っているんだが…」

あぁ、なるほどね…

『父さん時代の人間ではなく、先代時代の人間が裏で意図を引いているのではないかってこと?』

「だろうな…」

そうなると、難しい問題になりそうだな…

先代もしっかりしていた人ではあったが、その反面どこかしらで甘いところもあった人だ

『先代時代の人間が裏にいるとなると、難しい問題になるね…先代に知恵を借りる?借りを作るのはイヤでも…』

そう言えば父さんは渋い顔をした

「それが正解なのだがな…」

父さんは先代、つまり今の龍崎組会長とあまり関わりを持つのを嫌う

自分の父親なのだから、嫌いな訳では無いのだが…

『これからの事に口出しされると、面倒なんだよね…』

これが、問題なのだ

口出ししてくるとなれば、あたしも無関係とはいかないだろうな…

「そうだろうな、お前をどこかの嫁にやる事となるだろうし、後継者を決める権利を寄越せとまで、言ってくるのが分かるからな…」

ほんとに、あのじじいは…

『あたしは、先代の道具でも人形でもないから、言う事聞かないからいいよ、別に』

何を言われても聞かなきゃいい話だ

「まぁ、子持ちのお前を嫁にする物好きもいるわけないしな…」

物好きとは言ってくれるね…父さんも…

まぁ、間違いではないけどさ…

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