もう一度恋して
日曜日
迎えに来た健二くんを
両親揃って出迎える。
お父さんのことなら
「二度と顔を見せるな!」
と怒鳴ると思うんだけど
孫可愛さなのか
そこには触れずにいる。
そして
「お願いしますね」
なんて頭まで下げている。
「はい 少しの間二人をお借りします」
「はいどうぞどうぞ」
もうその時点から楓は
『パパ』と言いながら離れない。
「楓 お兄ちゃんでしょう?
昨日あれだけ教えたじゃない」
そう・・・ゆうべ
明日この前のお兄ちゃんが来たら
パパと呼んじゃだめだよと
お兄ちゃんと呼ばせる練習までした。
「パパはパパだもん」言うことを聞かない楓に
「はぁー」と ため息のあたし。
「いいよ
今日は楓ちゃんのパパになってあげるよ」
「・・・・・・」
困る・・・。
「なんなら葉月もパパって呼ぶ?」
「はぁ?冗談はやめてよ」
本気で言うと
『悪かった度が過ぎた』って謝ってきた。