こじれた恋の終わらせ方
電車に乗り込んだ俺は、送られてきたメールに目を通していた。


おそらく話の途中で切ったから、補足のつもりなのだろう。



そこには、麗華の見合い相手が、この間まで大学病院に勤めていたこと、そこで元恋人である看護師にストーカーまがいなことをして問題になったことなどが書かれていた。

何でも、付き合っている時から、高慢なモラハラ野郎だったらしく、それに耐えられなくなった彼女に別れを告げられて、納得いかないと付きまとったらしい。


気になる真尋の大学時代については、構内でみた真尋に一目ぼれした奴がしばらく真尋に付きまとっていたということだった。


真尋本人は気づいてなかったが、、心配した友達が、たまたま会いに行った義理の弟を彼氏と勘違いしたらしく、教えてくれたらしい。きっと真尋本人に告げても、大事にしたがらないだろうし、不安にさせるだけだと思って何も言わないまま、毎日迎えに行ってたそうだ。



何で、これで付き合ってなかったんだ。率直に疑問だ。



メールに目を通しつつ、電車に乗っている時間がもどかしかしい。



とりあえず、今は真尋たちが見張っててくれている。



麗華の表情がさえないらしい。



さえない表情するくらいなら、見合いなんてすんな。内心毒つきながらも、俺が行くまで何も起こらないことを祈った。



駅からホテルまで人ごみの中を走る。



怪訝な表情で見てくる人もいるが気にならない。



ホテルについてラウンジの方へ向かうと見慣れた人物がいた。真尋だ。


俺を見つけて、こちらにやってくる。



「お兄ちゃん、急いで!!」


視線の端に、もめている男女をとらえた。


男が女を無理やり立ち上がらせている。



汚い手で触んな!!


怒りで声を荒げそうになるのを必死で抑えながら、そちらに急いだ。


「お兄ちゃん!私、お姉ちゃんは麗ちゃんがいい!!」



後ろから聞こえた妹の声に手を挙げて答えて、俺は麗華の方へとむかった。







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