Mysterious Lover
そ、そうだ——。
搭乗口に行くなら、その前に保安検査場をまず通るよね。
そう気づいて、検査場の方へ足を向ける。
その時。
え……
わたしの目が、その姿を捕まえた。
こんなにたくさんの人がいるのに。
どうして?
でも、間違いないよね?
あれは、あれは……
ジーンズにセーター、ダッフルコート。
見慣れない私服姿だったけど。
間違いないよね。拓巳だよね。
「拓巳ッ!!」
わたしは叫んでいた。