君の隣






     ー学校ー


           バンッ





「ハァハァハァ」




なんで、あいつがここにいるなんて…
誰にも言わないできたのに…
知られるのは嫌だったのに…





?「璃咲?」


「お、おはよう零」


零「おはよう、どうかしたのか?」



『柾塚零』…この学園の生徒会長であり、
私の幼なじみの1人である。
家は代々医者で私の兄とも仲がよく
私も零とは家族同然で育てられてきた。

本当なら小中とこの学園にいるべきだったのに
零は私と同じ小中に進むことを選んだ。
どうやら私が1人だと心配だったらしい…

中学で『あんな事』があるまでは…



「え、あ、まぁね」


零「誰かにあったのか?」


「…うん」




私がこの学園に進学したことを
誰にも知られたくないのは理由がある…
それを知られたら私はここにいられない…
兄さんにまで迷惑をかけてしまうかもしれない



零「大丈夫だ…なるべく今日は
  ここにいられるようにしてやるから」


「あ、ありがとう零」



会いたくない…あの時の奴らには
誰にも、会いたくない…









 






それから私は生徒会室で提出する
資料を作っていた。
零は私のかわりに役員に指示をだし
新入生がぞくぞくと門をとっていく。
その中には、今朝会った『あいつ』と
そのグループ…

なんでここに入ってきたんだ…
ていうか、よく入れたな…



生徒「副会長、これもお願いします」


「えぇ、」



きにしてたら駄目だ
今はこっちの仕事をどうにかしないと…


その時の私は気付かなかった。
『あいつ』がこちらを見ている事なんて…









   
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