ネガティブ女子とヘタレ男子

1-A


ガヤガヤとクラスメイトの声が響く教室。
廊下側の席の私は、今教室で行われている話し合いに参加せず、顔を机に伏せていた。

机から反響して聞こえてくる教室の音を聞きながら目を瞑る。

暖かい昼の温度が眠気を誘った。

カールがかった髪が風に押されてさらさらと落ちてくれば、そのくすぐったさに現実へ戻されて、クラスメイトの話に耳を傾けた。

「…だから、…をやりたいと思います。」

多数決で決まったのか、「うちのクラスの出し物が決定しました。」とクラス委員の女の子が発表を始めた。そのあとすぐに今後の日程や、係決めまで行われていて、それでも私は参加せずに睡魔へ身を委ねるのだった。

うとうとと眠気を誘う気候に、意識を集中させて夢を見る。

夢の中で、私は子供の姿で花畑を走り回っていた。

手を繋ぎ一緒に駆けているのは、影がかっていて顔は見えないけれど、くるくると跳ねる髪が印象的な男の子だった。

夢の中だと分かっている私は、その子の名前を叫ぼうとしても声が出てこない。いつの間にか一緒に走っていた子の手は離れていて、ゆっくりとコマ送りのように距離が離れていく。

待って、行かないでーーー

涙を流しながら声を出しても、彼に届ける事はできなかった。



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