アマガエルの王子様
雨はお好きですか?
しとしと……

雨が降っている帰り道 土が雨に濡れるにおい

学校は家から歩いて50分 雨の日は歩いて登下校する

恋春 「はぁ〜、雨……だるいなぁ」

一人でそんなことを呟きながら歩く帰り道

アマガエルの鳴き声が聞こえる

ゲコゲコ……グワェゲコ……

恋春 「これだから田舎は……はぁ。」

恋春は生まれたときから ここに住んでいる

田んぼ道を歩いていると 誰かが 座り込んでいる

? 「んーんんんーん♪」

……どうやら鼻歌を 歌っているようだ

恋春 (誰……?)

後ろを通り過ぎる足音で その人が振り返る

? 「あ、天音じゃん。」

私の名前を呼ぶ声 ふと振り返る

そこには 同じクラスの 雨宮 晴太(あまみや はるた) がいた
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