拗らせDKの偏った溺愛



あの後からだったように思う…。

竜也があんまりがんばらなくなったのは。

あんまりがんばらなくても、大抵のことができてしまうのがすごいところだけど。

でも、同時に楽しそうに笑っているのも見なくなった。

そして退屈そうに毎日を過ごすだけの竜也。


僕は、というと。

日に日に喧嘩の傷が増えていく竜也の足手まといにならないように、空手と柔道を習うことにした。

ちょうど成長期だったこともあって、やればやるだけ強くなったし、体も大きくなった。

おかげで自分に自信がついて、結構ハマった。

中学3年生の頃には、竜也と一緒に喧嘩できるくらいの強さが身についた。

いつの間にか東のリュウ、西のトラって呼ばれるようになっているらしいことを知った時には、内心驚いたけど。

同時に、やっと竜也と並んでいてもいいんだって思えて嬉しかったというのもあった。

竜也に


「竜也は東のリュウで、僕は西のトラらしいよ」


と教えたら、


「うへぇ、なんだそれ。漫画の読み過ぎかよ」


と、案の定の返事か返ってきた。


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