拗らせDKの偏った溺愛

体育祭の準備



〈美咲です〉



あの日、高村君が突然教室から出て行ってしまったあと、一瞬シン…とした教室でしたが、すぐに


「「「竜也くん何か怒ってた?」」」


と言うような内容でざわつきました。

ただ、虎谷くんが


「竜也の事は気にしないで。それより体育祭の種目、決めちゃおうよ」


とキラキラした笑顔で言ってくださったこともあり、クラスの皆さんはすぐに体育祭のことに気持ちを戻してくださいました。


出場種目はクラス全体が盛り上がって、ワイワイと話し合いながら決まりました。

あの様子から察するに、このクラスの皆さんはイベント事が好きな方が多いようです。

体育祭もみんなで楽しく盛り上がれそうな予感がします。

私は体育祭実行委員として当日は黒子的な役割がたくさんあるので、とても忙しくなりそうです。

その代わり、これといった個人競技に出場する必要がないのでとても安心しています。

体育祭で個人種目に出場するなんて…クラスの前に立って話すときとは比べ物にならない緊張感が。

想像するのも恐ろしいです。私には耐えられそうにありません…。

そういう意味でも、雑用ばかりで忙しい実行委員ですが、私としてはありがたい役回りです。


でも、あの体育祭の出場種目決めの日から、高村くんと虎谷くんはパタリと学校に来なくなってしまいました。



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