拗らせDKの偏った溺愛

藤原美咲、大失敗です!




藤原美咲、大失敗です!

私が竜也くんの関係者だとバレてしまったことで、竜也くんの足手まといになることが確定してしまいました。

不気味な静寂は、いやらしさを含んだおぼっちゃまの声で破られました。


「あれあれぇ?君はコイツのなんなのかなぁ?」


声と同様、いやらしい笑みを浮かべたおぼっちゃまが、一歩一歩私の方へと歩いてきます。


「もしかして彼女だったりするのかなぁ?」


ニンマリと顔を歪めて私の正面に立つおぼっちゃまは、ただの脂肪の塊というわけでもなさそうです。


「…」


ここは少しでも私と竜也くんの関係が希薄であることを表明しなくては!!

私のせいで竜也くんが不利な立場に追い込まれては大変です!


「ま、まさか!!私みたいな地味子が彼女だなんておこがましいです。りゅ、竜也くんは私たちの学校では知らない人がいないくらい有名人ですから!だから私が知っているのも当然と言いますか…」

「…」


私の頭の先から足の先までをゆっくりと確認するおぼっちゃま。


「確かに。存在感ゼロの地味女だな」

「そ、そうでしょう!ですから、私なんていてもいなくても、竜也くんには関係ないんです」

「チッ!役立たずめ」

私を使ってコトを少しでも有利に運ぼうとしたおぼっちゃまは、私に利用価値がないと判断されたようです。

よかったです…なんとか誤魔化せました!!

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